じゅういちもんじブログ

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映画字幕から考えたこと

 

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恋人たちの予感 特別編 [ ビリー・クリスタル ]
 

 

 

『 When Harry Met Sally(邦題:恋人たちの予感)』

好きな映画の一つで、時々観たくなります。以前少しだけアメリカ留学していた時に、ホストファミリーのお宅にDVDがあり、初めて観ました。ビリー・クリスタルメグ・ライアンのラブ・コメディ。掛け合いのテンポが心地良くて好きです。

 

GW中、久しぶりに観ました。

 

ラストシーンのHarry(ビリー) が Sally(メグ)に好きだと告白するところで、自分が感じた解釈と少し異なる内容の日本語字幕が出ていることに気付きました。今回初めて気に留まったので、思ったことを少し書いてみたいと思います。

 

年越しパーティーの会場でHarryから告白されたSallyは、「大晦日だし、寂しくなったからなんでしょうけど、急にそんなことされても、悪いけどあなたの期待通りにはならないわ」というような感じで突っぱねます。

 

そこで、このHarryのセリフ。

 

 (Harry)
I love that you get cold when it’s seventy one degrees out, I love that it takes you an hour and a half to order a sandwich, I love that you get a little crinkle above your nose when you’re looking at me like I’m nuts, I love that after I spend a day with you I can still smell your perfume on my clothes and I love that you are the last person I want to talk to before I go to sleep at night.  And it is not because I'm lonely and it is not because it's New Year's Eve.

 

私の解釈としては、「【①気温が22℃になったくらいで寒がる➁サンドイッチ1つ注文するのに1時間半かかる③バカじゃないのって顔で僕を見て、眉間にしわを寄せる④会って1日過ごすと、別れたあとも香水の匂いが服に付いていて消えない⑤君とは夜寝る前に話したくない】 ①~⑤はネガティブな内容 だけど、そんな部分が、好きだ。でもそれは別に寂しいからとか大晦日だからとかじゃない。」 →この次のセリフで本当の理由が伝えられる   という流れ。

 

と思ったので、緑の下線部分が、私には「夜寝る前に君とは絶対に会話したくないけどそれでも好きだ」という感じに聞こえました。でも字幕では「夜寝る前、一日の終わりに話をしたいのは君だ」という全肯定の訳でした。えーそう?と思ったけど、もちろん私の解釈違いもあるでしょうし、字幕翻訳は字数制限があるため、意訳を要したのかもしれません。

  

で、ふとここで思ったのですが、あぁ、字幕翻訳って俳句みたいなものなのかなと。この言葉は入れよう、これは省いて受け手の想像力で補ってもらおう、という推敲の世界。(プレバトの俳句査定が面白くて最近は俳句も気になっており 移り気 笑)はじめてそんなことに思いが至りました。1画面=数秒の限られた枠に、作品全体の世界観や話の流れに見合う言葉を厳選し据えていく。なんだか、地味で大変そうな作業だけど、潔くてカッコいいな。職人みたい。そしてそれが世に出て賛否あっても、これでいいのだ と胸を張れる自信がないと務まらないお仕事だなと、これまで以上に字幕翻訳家へ尊敬の念を抱きました。

 

最近観た映画は何故か邦画が多かったことと、洋画を観る時は英語学習のためにできるだけ日本語字幕を消して観ていたせいで、このような疑問や気付きはあまりなかったのですが、日本語字幕を見ながら「訳者はどのように考えてこの一文にしたのかな」と思いを馳せたり、「私ならこうするかも」なんて考えてみるのも楽しいかもしれません。そして何よりこれは、英語と日本語の変換センスを上げる良い方法かもしれないなと思いました。邦画も、英語字幕を入れるならどうするか、吹き替えするならどうするか、など考えながら観るのも面白そうですね。

 


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